「覚書」にて、辻征夫自身がこの詩集を"後日譚つきの幼少年詩篇集"としているが、私がこの詩集を眺め終えて感じ入った感触に名前をつけるにあたりこれほどピッタリな言葉もない。
それぞれの詩に登場するあらゆる人たちが象徴する幼年期または少年期へのまなざしとは、単純に過去を懐しむだけではなく、翻って自身の大きくなった肉体と、頑丈になった心と、経年にさまたげられる"懐かしむことの困難さ"のようなものにも向けられているように思う。後日譚とは、幼少年期以降の続く人生であって、離れながらもしかしあくまでも幼少年の持つ特有の時間に取り組んでいる。
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