20201120
俺も裸で座りこんでいる(街に)
黒いコートを着て駅まで行ったものの立ち尽くしてしまったことある?何しに家を出たのか忘れたわけじゃない。だけどこんな夜は職質とかされてみたい。駅前交番の明かりがとどくところに立っていたら長髪青いコートで後ろ姿が女のジジィが直立したまま船を漕いでいてやばい。こっちを向いてやばい。本物の変わり者には勝てない。移動。
逃げ込むようにドトールの跡地を眺めみたら、「ずっと見ていられるかもしれない」と思った。
301個目のライターの火打石を親指でいじくって火花をちらつかせる。傍目は放火魔のおれ、いや、ウソ、そんなことしてないんだ。本当は。
麻婆豆腐でも作るかと豆腐を買いに出かけたはずなのになぜか駅前のガールズバーのキャッチの寒そうな女子たちを長い時間眺めてしまい、次第にどうでもよくなっちゃって、家にきっかり300個あるライターを買って、豆腐を買わずにもう帰ります。
おれは何をしていたんだ?
20201030
2020.5〜10
20200828
夢(石井さんとのソーシャルディスタンス)
石井に会う。
「石井は、卒業したらどういう仕事をするの?」と俺が尋ねると石井は俯き恥ずかしそうに「げ…芸能関係」と呟いた。
ゲーー!向いてないよ!おまえは俺史が初めて捉えたガチオタクじゃねぇかよ。授業中に手なんか挙げないし、あてられたってぇ声がちっせぇじゃねぇかよ!おまえ、芸能界って、声がでかいやつが勝つんだぜ、声がでかいやつしかいないんだぜ!!…と俺は思ったけど石井の横顔にそんなこと言わない。
そこで画面の外から誰かが「トモ〜」と石井を呼んだ。
うちの学年に「石井」は2人いて、俺はもう片っぽのことも「トモ」のことも「石井」と呼んでいて、俺は石井のことを考えるとき頭の中ではいつも「知美…知美よ…」と呼んでいたのに、最後に会った時も昨晩も、結局石井と呼んでいて、俺の人生における後悔とはこういうとこの踏み出せなさであるね。夢の中の時制は会話から察するに2013年。俺のソーシャルディスタンスは距離にして7年もあるのだ。
──というようなことを7年と13時間経ってもなお、未だ落ち込み考えているが、7年前も10年前も17年前も20年前も石井のことが好きだった俺は、20/17/10/7年後にもう何もかも憶えていないですよ。思い出は宝箱を開ければとわにきらきらですね。
20200827
萌えの海石(幻視一歩手前)
20200630
いや、俺にも「美味しいものを食べたい」という欲求はある。しかしながらそれはどちらかといえば「美味しくないものはなるべく避けたい」という程度の、とても消極的で不精な態度の方が的確と思う。
俺は羨ましいとしんから思っている。
美味しいものを食べたい、というかなり原始的な欲求を持ち、たとえば讃岐へうどんを食べに向かう人たちを。
それは、俺が体感したことのない晴れやかで前向きな気持ちであろうから。金銭面を除けば隙のない、そしてたとえば友情・恋愛・孝行が付随することだってあるんだから全方向に良(りょう)じゃん。
彼岸の彼らを眺めながらの俺はといえば。毎日うどんかそばを食べている。
というか。
いよいよ米も炊くのが億劫になってきた俺の自炊生活の、最果てにあるのはうどんかそばなんだと自分でせつなくなるほどうどんかそばしか食べてない。
非難の有無ということでいえばいわれはないが自分で思うね、ろくなもんじゃないです。
はたしてそうでしょうか?
ええ、ろくなもんじゃないです。
本当にそうなのでしょうか?
答えは私の胃の中です。知りたい人はダイブしてみてください。
ダイブといえば。
スロウダイヴを聴いている。
スロウダイヴを聴いて調べて知ったのだが、最近俺の好きな、たとえば少女スキップや今回のスロウダイヴなどが、シューゲイザーというジャンルらしい。
俺は、聴いて、調べて、知って、思いました。
「またひとつ世界が分かりやすくなったわい」
しかしながらそれは、全方向に良(りょう)なのだろうか。でしょうか。そこには疑問が残ります。名前が付くということは世界に境界ができるということです。そして"名前が付く"を個人に翻れば、名前を知るということになるでしょう。
混沌とした世界が絶対の正ともいいませんが、境界が全てに引かれていることもまた、もしかするとろくなもんじゃないのではないでしょうか。
ところで。
もういつだったか忘れたがそれでも六月。ロメロの「死霊のえじき」を観た。
つらいバイト先みたいな話でしんどかった。
サントラがめっちゃ良かった。アップルミュージックで聴いてます。
帰り道の薬局で聴きました。
薬局でハンドソープ探しました。
ロメロはゾンビのことを本当に考えてるんだなと感動したが、後日知識くんにそれを伝えたら「ロメロは別にゾンビが好きだったからゾンビ映画を作ったのではなく、それが金になるから作ったんですよ」と言われ、マジ!?と思った。なのならやはり、俺の舌は信用がならない。
6月から離れてもはやバブ、ローズ、サラしか名前を覚えていない。ローズって薔薇のことでしょうか、綴りは。名前、3人しか覚えてない。あとはもう蒸発するように忘れた。
“名前ってなに?
薔薇と呼ばれている花を別の名前で呼んでも美しい香りはそのまま”
サラは食器、バブは入浴剤である。
薔薇といえば柴田聡子「ばら」を聴いていると「静かに煮立って毎日は蒸発していつしか消えて」という歌詞が心に浸透した。
俺の毎日もまた、静かに煮立って蒸発していつしか消えていく。鍋にはうどんかそばが残っている。食べる。
20200331
文化荘文化大賞2019
本年度文化荘文化大賞が以下の通り決定いたしました。
⚪︎大賞
牧野真莉愛「いつも笑顔で元気です♡」
⚪︎大賞最終候補
岡田和人「いびつ」
土屋裕友花「Dream My Name」
⚪︎選考ノミネート作品
古今亭志ん朝「大工調べ」
田中千智「走り去る」
志賀理江子「予感と夢」
岡田和人「いびつ」
土屋裕友花「Dream My Name」
牧野真莉愛「いつも笑顔で元気です♡」
選考者:ワンダフルデイズモーニング、静谷静一、志水あみ、あさくらなおき
選考日:2020年3月31日
選考会場:モスバーガー西荻窪北口店
⚪︎選考者コメント:ワンダフルデイズモーニング
「いつも笑顔で元気です♡」を推した。大切な人の死 に対して、悼む言葉や自己の悲しみを吐露せず、ただ相手への敬愛だけを連ねることで、大切な人の”死”ではなく死を迎えた”大切な人”であることが、作為の影なく伝わる文章だった。このようなことを書くことすら本当は憚られる。真心。
⚪︎選考者コメント:静谷静一
「いつも笑顔で元気です♡」が大賞であることに異論はないが、「いつも笑顔で元気です♡」についてのコメントはない。それはネガティブな印象を持っているということではなく、つまりこれは他人による評価のようなものをすべきものではないと思ったのである。言い換えれば「いつも笑顔で元気です♡」ははたして”作品”なのであろうかという疑問がある。それならば、「いびつ」の方が”作品”であることは判然しているように思ったし、感動の質量も申し分なかった。とはいえ、ノミネートされたものから大賞を選ぶことが”選考”であると定義するならば、「いつも笑顔で元気です♡」を大賞に選することに反論をするつもりはない。
⚪︎選考者コメント:志水あみ
「Dream My Name」に少女漫画におけるヌーヴェルヴァーグ、既存の”それらしさ”を破壊する痛快さを覚えたが、それはあくまで”少女漫画”という枠組みを前提にしているのかもしれないという想いから、他二作を押しのけてまで強く推すことにためらいが生まれてしまった。「いつも笑顔で元気です♡」も同様の懸念はあったが、それを覆すほどの強い感動を覚えた。その感動は大賞とするにふさわしいと思います。
⚪︎選考者コメント:あさくらなおき
「大工調べ」がマジすごかった。「Dream My Name」笑ったからそれでいいんじゃないかと思ったけどそういうことでもないっぽい。
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