20250202

「思った……」という音

 自分がいま現在の気持ちとしてこんなにも大好きな気持ちを向けるときに死という透明な壁によって阻まれてしまい届けることがかなわない相手に対して、私たちは写真にせよ映像にせよ書いたものにせよ、彼の人生の足跡だけをながめることで踏みしめた蹠を想像することしかできないけれど、今日観ていた映像のなかで私の大好きな人がこんなことを言っていました。

「──僕は、この人はいま希望の根拠に至ったのだと、思った……」

 このセンテンスの内容はいったん置いておいて、末尾の〈思った……〉の部分の言い方──というよりも発話、発声、ため息のように、あるいは彼が言うところの"思った"ことをいままさに思い出して味わいなおしているような……この……これが……

 ぼんやり聞いていた私は思わずびっくりしてビデオを巻き戻しそのまま3回連続で当の箇所を聞いてるうちに涙が滲みでてきた。涙が出てきたことで二度びっくりだった。くりかえすけれど内容じゃなくてあの音に私は泣かされたのだ。
 だけど、涙がながれるに至る理由を説明することができない。少し考えてみたけどやっぱり言葉にできない。そのことへ、私はなにより感動する。頭や意識を置き去りに心や身体が反応を示す。嬉しい。とても嬉しいこと………。

これ以上書くまい。説明できちまうといけねえ。