20211225

水声

 幽霊の小説だと思った。
 幽霊の小説、というのはオバケが出てきてどうこうということで済む話ではない。
 "幽霊"とはどういうことか?
 "幽霊が出現する"という現象とは何か?についての小説。
 物語のうねりを直列的に眺めるかたちではなく、その部屋およびその部屋にまつわるある時間に巣食う"幽霊"についてを、あらゆる角度とあらゆる時間から暴いていく。

 1ページ目から最後のページまでずっと歪な不気味さがある。
この小説を思い出すことが怖い。
この小説を怖がる時、読者のそばに幽霊がもう立っている。

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