ある場所では、化学工場で発泡スチロールに赤い着色をする仕事をしている人がいる。粉塵から身を守るためにサンタクロース帽子をかぶっているけど、クリスマスは知らない。「たぶん旧正月みたいなものだろう」と思っている。
ある場所では、人々がテニスの試合をどうにか見ようとしている。
ある場所では、工場のスモッグで家畜が死に果て、無数の羊の置物をおいてごまかしている。
ある場所では、性犯罪の前科者だけが集められた村でおじさんがひとりでバスケットボールをしている。
そういう、すべてのことが、現在この瞬間に同時進行で一斉に起きている。世界で。印象のバイアスで善悪や白黒と判断するのは各々の感想でしかなくて、本当はすべてがただ、そこで、起きているだけなのだ。
と、いうようなことを思って、話した。今津と観に行けて良かった。毎年この写真展は大切にしているって言っていた。やはりいちばん信頼できる感性だぜと思った。

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