スツールの籐椅子が欲しい。
以前そこさくで山﨑天ちゃんも籐椅子が欲しいと言っていて、たぶん俺は豆腐ごはんか納豆ごはんかカレーかソバを食べながら(その四種類ばかりを家で食べるから)「いやぁ!わかる!!」と声に出して十代の天ちゃんに文字通りの共鳴を果たしたものだ。
あぁ、籐椅子。スッと読めないのもニクらしい。籐を表すとき以外に使わない漢字。椅子にしては軽いけど不安にはならない重さ。骨組だけのようで夏でも涼しそうなこまかな隙間。揺れたら不安になる、バランス感覚を試されるスツールという形状。
旅館やなんかで籐のスツールに座るときは嬉しくなる。尻を載せる前にしみじみ撫でたりもする。
かれこれ一年以上籐椅子が欲しいのだけど、買うとなるとなかなか高いし畳部屋に籐椅子はいらんという声もまた内から意見される。
でも欲しい。そういうとき私がどうするかというと大体パターンは決まっていて、籐椅子が必要になる台本を書いて映画をつくるということになる。ラブストーリーでもホラーでもなんでもいいのだが、時として尋ねられる「どうしてこういう話を書こうと思ったのですか?」に、それらしい返事をしながらたとえば本心なんていうのは「籐椅子が欲しかったから」だったりする。
なんとも身も蓋もないスカスカな理由。だけど間抜けなのではなく、風通しがいいと言われたい。
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