ある夜に珍しく連絡があり、穂波さんと久々に二人で会った。
同じ街に住んでる我々だが、二人で会うのは本当に久しぶりだった。
「もう今日しか会えるチャンスないと思って」 とやつは言った。
来週に控える公演に向けて毎度のことながらやつれていた。
今日もこれから作業地獄ですと言っていた。
私たちは二人で会うことがあんまりなくて、二人で会う時はだいたい仕事の話や真面目な話をする。三人以上で集まる時のくだらない話はあまりしない。
その日は珍しくお互いの仕事の話をしなかった。くだらない話もなかったが。
短い時間の中で、私たちが話したことは
深津篤史 『うちやまつり』
西尾佳織 『ヨブ呼んでるよ』
佐藤友哉 『子供たち怒る怒る怒る』
阿部和重、柴崎友香、村田沙耶香、メルヴィル、
そして何より島田荘司 『占星術殺人事件』について。
『占星術殺人事件』 で島田荘司が描いたあまりにも切実な皮肉と他者への視線、ブクログに書いてあった最悪な感想、趣味が違う私たちが同じように信じる誠実さの方向。
私たちは、それは我々に限ったことでなく普遍的な意味での"私たち"だが、私たちは、いつかどちらからともなく生活におけるお互いの比重が減るのかもしれない。私の人生における他者とはいつもそのようにして疎遠を繰り返してきた。
決定的なエピソードに欠ける、さよならのない別れ。
だからこそ、というのではなく、しかしながらという接続詞で以って、
私たちは誰かと一緒に時間を過ごす。
またお勧めの本を教えてもらった。図書館で借りる。
0 件のコメント:
コメントを投稿