20161230

2016.11〜12

11月2日
「かくかくしかじか」を読む。とても胸にくる。
そのあと、「セッション」を観た。ゾッとする。
似てないけど、似てる、似てるというか共通点のある、そういう二作品だった。
ただひたすら、目の前にあることに取り組む。その先になにがあるとかを考えずに。それはシンプルだけど、難しいことだ。
「間宮兄弟」を観る。
パクろう、と思う演出が細かくあった。
モノローグと同じセリフを同時に重ねるのが面白い。かわいい。あれはいつかパクろう。
北川景子が今までみたどの北川景子よりも、おちゃめでやさしく素敵だった。
沢尻エリカと北川景子の姉妹って妙な説得力があります。
スピッツ「インディゴ地平線」、大瀧詠一「A LONG VACATION」をツタヤで借りて家に帰る。


11月3日〜4日
終電を逃し、しかたなくiPadで「菊次郎の夏」を観る。シーン省略の勉強になる。滾る。途中で寝てしまったので朝帰りの電車で最後まで観る。滾る。100円ショップにて買い物。ビニール製?のポシェットのような、やつ。そこにシャンプー、リンス、歯ブラシを入れて、お風呂セットをこさえた。

11月4日
移転でまる二ヶ月使えなかった大和の図書館がリニューアルの日付を過ぎたことに気づいて、行ってみる。
駅からだいぶ近くにできた"大和文化創造拠点"という名前の建物が移転先で、名前、とても、かっこいい。大和なんていう夕暮れを過ぎると邪悪な影が伸びだす街に似合わないほど清潔で清廉で大きな建物だった。ホワイトベースを彷彿とさせるその大きさは、駅の近くの商店街のどこからでも見えるほどだった。
もう何度借りてるか分からない(いい加減買わなきゃなと思っている)山下澄人「コルバトントリ、」と、川上未映子×穂村弘の対談集を借りた。
時間が早かったのでリサイクルショップを二軒はしごする。安くて小さな丸いテーブルを探す。「まぁ、これなら、いいかなぁ」と思えるものはあれど、俺の頭の中にある俺の部屋にスッと馴染む理想のチャチさをしているものはなかった。

携帯をぼーっと眺めていたら、4年前くらいから探していたblack&blueのグリーンガウンがヤフオクで定価の1/6くらいの値段で出品されていた。存在を疑うくらいだったものが現前すると人は戸惑うということを実感する。トイレに10分篭り、そのあと購入ボタンを押した。

11月5日
昼過ぎ、さて家に帰ろうと電車に乗った瞬間に図書館で借りた本を職場に忘れてきたことに気づき取りに帰る。そのまま日高屋でご飯を食べ、再び中央線に乗ったところ寝過ごし目覚めると国分寺だった。30分くらいかけて新宿に戻ると小田急線が人身事故で運転見合わせだという。
仕方ないので湘南新宿ラインで横浜乗り換え、やっとこで家に着いた。いつもより時間、倍くらいかかった。こういう負の連鎖、ある時もあるのだな〜。 家で昔のMacBookの写真を移植する作業の続き。やっと終わる。なつかしい写真がたくさん。

11月6日
O俣にお誘い頂き上野の東京都美術館でやっている手工芸展へ行く。
とても面白かった。色んなジャンルがあるけどみんな精緻。なんだかんだ1時間以上かけて全作品じっくりと見た。クレイアートの生け花が一番印象に残った。その中でも最もタイトルが良かったものは「ポピーあれもこれも」。形式にとらわれない軽さがある。

11月8日
スパルタローカルズ復活のしらせ!!!!!!
ここ最近の曇った心を引き裂いて虹がかかったようなニュース。死んだものが生き返ることなんてあるのだろうか。それだけは絶対にないと思っていたから、泣いてしまいました。
12月4日のライブ、抽選応募しちゃった。当たるといいなぁ、本当に。

11月10日
スパルタローカルズとナンバーガールの映像をYouTubeでずっと見る。3時間見続けたところで台本の脚本のシーンがやっと書けた。うおお、と思った。

11月12日
インフルエンザの予防注射をする。
家に帰り、「日暮れるまえに」の現像を終わらせる。編集編集編集編集……

11月13日
昔使ってたPCのデータを眺める。
将生に欲しい服をねだる。あんまくれないらしい。吝嗇かよ〜、と、言う。

11月16日
「溺れるナイフ」を観る。うーむ、面白いと思えなかった。ツイッターを見たところ、"大友めっちゃいい奴"という感想がティーンの中で飛び交っていたけど、俺からしたら大友は男の一番嫌な、小狡い、見ないふりしたい部分が溢れていた。

11月18日
はじめて MONO NO AWARE のライブを観る。
西村に誘われふらっと立ち寄ったのだけど、とても良かった。観てよかった。なんというか、上品さが香り、まさに"もののあはれ"というカンジであった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

11月19日
最近は養老孟司先生の講演やゲストで来たラジオ音源を聴いている。
心が冷静になる感じがある。校でありたいと思わされる……憧れる……すき………。 S木と新宿のピースで話し合い。「バカ姉弟」新刊を買う。何年ぶりだろう。10年とか?何も変わってなかった。面白かった。

11月25日
韓国から帰国した栗又と新宿で会おうとしたところ、栗又が体調不良で来れなくなった、らしい。
どうしようかなぁととりあえず紀伊國屋に入りぶらぶらする。
何度も図書館で借りてるのでいっそ買おうとずっと思ってた山下澄人「コルバトントリ」を探すも在庫なしだった。
なんかついてないなと思っていると安川から連絡あり。今日19時からQSCのエントリー作品発表あるから一緒に聞こうよということで、了解し、wifiのある珈琲西武にて待つ。
本当はそこで台本書こうと思ってたけど、ノらず、代わりに2年7ヶ月ぶりにやることにしたはまちよのキラキラクソラジオの構成案を書く。
しばらくして安川から連絡あり。「今日他の人と会う約束していたのでドタキャンします。許してけろぉ。」とのこと。もう注文してしまったショートケーキを眺め、死ね!!と返信する。
1時間ほど西武で過ごし、K'sシネマで「眠り姫」のパンフレットを買って帰る。シナリオが読みたかったので。載ってるので。
なんかあてのはずれる日だったなと思いながら小田急でシナリオを読んだ。こういう日は大体にしてなにをやってもあまりよろしくないのでQSCのエントリーも落選しているのではないだろうか?と思っていると、本当に落選していた。
こんな日もあるけど。ガ〜ンですね。

11月26日
「ユリイカ」臨時増刊号を買う。シン・ゴジラ特集。この増刊号は、高橋一生のインタビューも載ってて、ウハウハです。
台本をすすめる。。

11月27日
2年7ヶ月ぶりに「キラキラクソラジオ」の録音をする。俺たち二人とも、緊張しちゃった。
30〜40分くらいで収めるつもりでいたけど、家に帰ってから編集すると、編集しても1時間くらいあった。課題ですね。
台本をすすめる。。

11月28〜29日
台本を書く。台本を書く。台本を書く。。 ダレたところで「日暮れるまえに」の音合わせ。編集。編集。。 昔書いて、すこし撮影もした映画作品の映像素材を観直す。なんとなく。
「海の向こうで戦争がはじまる」という仮題だった。タイトルは村上龍からパクった。なんとなく素材を並べ、思いついた言葉を映像の間に書いてみる。 "ヤリタミサコのあの詩を
読んだことある?
俺は、あるよ いみわかんないよね"
"どうでも たとえば 映画
どうでも たとえば 詩や批評
どうでも たとえば 音楽
どうでも なんでも いいよね
大事なことなんかは
ないね"
"海の向こうで戦争がはじまり
私は女を乱暴する
その時、思い出すのは意味不明だった詩やことば 「カオリン あの夏 2000年の夏 
あのとき 死んだことになってから カオリン どうやって生きているの」"

11月30日
台本を書く。内容的に3/5くらいは終わったかなというところ。尺的には2/3は終わったのだろうか。終わってないと困るというか、撮影がしんどいな。
近頃YouTubeで「ざっくりハイタッチ」をよく観る。"わさビーフ"、"思想哲学引っ込み思案"、"銀シャリやん"など、好きなくだりが沢山あって、出てくるたび、にまにましてしまいますね。俺もやりたいですね〜。

12月1日
12月になってしまった。
仕事場、すこしだけ開けた窓の隙間から12月の空気に混じって、隣の楽器屋で流しているYUKIの「愛に生きて」が小さく聴こえてくる。
かつて今津と「愛に生きて」を結婚式で流そうと話したことを思い出す。12月の空気に合うな、YUKIは。
はたして台本、行き詰まり感がある。ここからどうしよう。脱稿まであと3日くらいかかる気がしている。締め切りは11月いっぱいだったのだけど。

12月2日
朝まで台本。。まだ終わらない……本編の台本を途中までやって、そこから劇中に出る別作の台本。なかなかがんばった。
あとどのくらいなんだろうか。
朝から「超能力研究部の3人」を観る。めちゃめちゃ面白かった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

12月4日
赤坂BLITZにて「DECEMBER'S CHILDREN」を安川と観に行く。この日をどれだけ楽しみにしていたことか。
uri gagarnカッコよかった。初めて生で見たcp(威文橋)、顔ちっちゃかった。
沖ちづるさん、昔笹口さんの主催イベントで、楽屋でCDを買った思い出。ずいぶん有名人に!としみじみした。歌、大きな力を内包する感じ。
大森靖子も久しぶりに見た。
なんというか圧倒的で、迫力がすごい。もはや音楽ライブというジャンルではないような気さえする。安川も「演劇だった」と言っていた。
そしてトリはスパルタローカルズ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「恥ずかしながら帰ってまいりました。スパルタローカルズです」とコウセイ。

生コウセイ、めちゃ鼻が高かった。ドイツ人のようだと思った。
スパルタローカルズを観た。スパルタローカルズの感想はそれだけがすべてだい!!!!

12月5日
ノイローゼに出てくれたたむたむ(田村優依)が出ている なかないで、毒きのこちゃん「(再)けいこちゃん、ふたたび」を観に下北沢へ行く。
8時間の演劇て!そんなわけあるかい!と思って、8時間フル尺のうちCプログラムの2時間だけ観たんだけど、これは8時間、観られる作品かもと思った。会場にいる人、俺以外全員仕込みなんじゃないかと思って怖かった。そういう意味で、作品自体だけでなく、作品を観た客にまでたしかに「演劇とは何か?を考えること」についてのアプローチがなされている。Cプログラムだけ見たのでわからない箇所もあるんだけど、それは、それで正しいと思う。それに「なんとなく前になにかあって、後にもあるんだな」というのは充分伝わるし。
俺は劇を観ていて笑うことなんかほぼないんだけど、劇中劇のラストシーンを観てて笑ってしまった。笑うべきシーンではないような気もしたのに笑ってしまった。それはすごい体験だった。2時間1500円は爆安。4時間見そうになった。予定が後になきゃ観ていたと思う。
おまけの感想として、たむたむがめちゃくちゃ良かった。俺はたむたむの演技を自分の「別サマ」と今回の作品しか観てないから彼女の本質みたいなものは図りかねるけども、「稀有〜〜」と観ながら思った。ああいう動作、アクションに説得力があるっていうのは、マジで凄いと思います。いいもん見た。

12月6日
「谷崎万華鏡」を買って電車で読む。
谷崎潤一郎の漫画アンソロジー作品。
西村ツチカ先生が目当てだったけど、他の漫画家もみんなすごく豪華だった。気になってた山田参助先生の漫画、はじめてちゃんと読んだが、絵、好きだ!と思った。
谷崎潤一郎は読まないとと思いつつ読んでなかったけど(「陰翳礼讃」読みかけくらい)、めちゃくちゃおもしろかった。マジのド変態であり、そのド変態ぶりがとても良いド変態ぶりだった。
原作の本も読もう。
「少年」「人間が猿になった話」「夢の浮橋」「青塚氏の話」「飇風」がお気に入り。
ところでここ3日4日、台本を書いてないぞ。そろそろ書かないとと思う。今日は書けそうだと思う。少なくとも思う。

12月7日
「1万人のゴールドシアター」@さいたまスーパーアリーナ を観る。
繊細な描写やエモーショナルなシーンなんかより、"想像を超える圧倒的な数"といった過剰さというものはシンプルでそれゆえに強い表現なのだなと思わされる。
さいたまスーパーアリーナを埋め尽くす爺婆達による「ロミオとジュリエット」、圧巻だった。安川がツイッターで「年輪×人数のエネルギー」というような表現をしていたけど、エネルギーだけの比較であれば若い人が数人集まった熱量じゃ勝てるはずがない。
オチも素晴らしかったしキレイにオトされていた。今年観た演劇で一番おもしろかった。観れて良かった。蜷川さんは本当にこれをやりたかったんだろうなぁ。泣いてしまった。

12月8日
本郷台という街に初上陸する。
なんだかついてない日だった。
携帯の電池が何度も切れたので電池式の簡易充電器を2000円で買うが、それも1時間くらいで切れてしまった。本当に仕方ないので、本郷台にて3000円の充電式充電器を再度買わなければならなくなった。
さりとて本郷台はいい街だった。空が広い。そこに伸びる樹木はどれもまっすぐで、先端が尖っている。街路の端にざわめく銀杏の葉はすべからく真ッ黄で、絵の具のようだった。濁りのない、純度の高い、真ッ黄色だった。街はそれだけでわかることもある。

12月9日
フィッシュマンズ「いい言葉ちょうだい」「土曜日の夜」「Blue Summer」
ここのところずっと聴いている。
無意識の切り株を持ち上げてみると、これはもういなくなってしまった人の声なのだ。
18年?18年と少し?前に鳴らなくなった声なのだ。それを18年?18年と少し?経ってなお聴いているのだ。俺は。

12月11日
東京芸術劇場にて「ロミオとジュリエット」を観る。
久しぶりにガッツリした藤田貴大演出作品を観たんだけど、どんどん複雑になってきていて、観ていて頭がおっつかない。藤田さんの表現に俺の感性の反応速度が間に合わない。
5年前に唐十郎と蜷川幸雄の「下谷万年町物語」を観た時もそうだった。それを思い出した。
だけどそういう感覚は全然嫌いではなくて、「あぁ、今、俺は藤田に負けている〜〜〜」という、心をスポンジのようにギュッと潰されるあの感覚、滲み出て溢れる液体は舐めると甘い。

1日経ち2日経ってまだ考え続けているが、観ている時から「ロミオとジュリエット」つーか「ロミオ」やんけと思っていた。だけど逆にそれでもなぜ「ロミオとジュリエット」なのか?と考えてくと、自己混乱で幽体離脱しちゃいそうなギリのラインにかろうじて留まっているロミオと、そんな彼の苦しみを知らずにお構いなしにひたすらに"彼"を求め続けるジュリエットの姿、そのどちらをも肯定するという姿勢で描かれていることを鑑みるとたしかにあの作品は「ロミオ」では偏ってしまい、「ロミオとジュリエット」というタイトルがしっくりくる。
バラの名前についてのくだりがなかったことも、それを描くと作品の主題が崩れるかもなと思うと、なくて正しいと思った。面白かった。いいもんみた。まだ考えている。

12月13日
「ロミオとジュリエット」の物販で買ったサントラと、特典のインタビューCDを聴く。なんかめちゃくちゃ泣けてしまった。なんでだろう?
ところで青柳さんの声はすごい。青柳さん自身の言葉というのをはじめて聴いたかもしれないんだけど、吸引力がすごい。イヤフォンに吸い込まれるかと思った。

12月14日
運の悪いことが重なる日。大人になって、そういう日もあることを知っているから絶望をいちいちすることはないけど、あぁ、今日はダメなんだな、あぁ、そうか、と、ションボリはしてしまう。
こういう時、俺はスピリチュアルな世界を信じる。だけどそれは人の信仰とは別の場所にある。ねじれの位置にある。