ひと月前お友達と喋ってて、話の流れですごく遠い冬の日の話をして、すごく遠い冬の日の事を思い出した。2月11日のことだ。よくそんなことを憶えているものだ。
朝の6時とかそんくらい、すごく早くに起きて、父さんに車で中央林間まで送ってもらった。
中央林間から田園都市線各停に乗って市が尾まで行った。やまだないとの「ハルヒマヒネマ」を読んでいた。待ち合わせた市が尾の駅で一旦降りて、また田園都市線に乗った。雨とも雪ともつかないものが降っていた。
田園都市線で渋谷まで行って、山の手線に乗り換えて池袋まで行った。そういえばあの日が生まれてはじめて池袋に行った日だ。
池袋から歩いた。雨とも雪ともつかないものは未だ降っていた。
歩いて、らっきょう大学に着いた。この日はらっきょう大学の入学試験実施日だった。
もっと人がわらわらいるのかと思っていたけどそれほどではなく、何かを得たと言えるほどの体験ではないですなとか思いながらも、人の群れを見ていた。
そんな時間にも飽きたけど、時間はまだ8時とかで諸々のお店は開店前だった。それでも池袋の駅構内にあるパン屋さんが開いていて、パンをふたつ食べた。長いあいだそこにいた気がする。雪がやむまで僕たちはずっとそこにいた。
目を閉じれば曇天はまぶたの裏にまだ見える。
雨とも雪ともつかない白いものは、山の手線の走るスピードで車窓の向こうに降り続いている。